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2025年度講演会・懇親会報告

11月19日(水)、蔵前会館くらまえホールにて、「日本における基礎科学の現状と課題-役に立つとは何か?-」という演題で、東京科学大学栄誉(特任)教授 大隅良典氏にご講演頂きました。

講演の前半では、サイエンスとテクノロジーの違い、オートファジー研究の歴史、発見の過程と最近の研究内容について、後半では基礎科学研究の重要性と日本の研究環境の課題について語られました。

特に前半では、オートファジーに必須である18個の遺伝子が酵母だけでなく、動物や植物などに広く保存されている事を発見し、オートファジーが生命の基本的なプロセスである事を示されました。また後半では、「役に立つ」とは何か?については、短期的な応用だけでなく長期的な知の蓄積も重要である点や課題について研究費削減、競争的資金獲得の負担、若手研究者の減少などに触れ、そのため財団を設立し基礎生命科学を支援する活動を行なっている事を紹介されました。科学を文化として捉え、長期的視点で支援する社会的理解が必要で、若手研究者が安心して研究に取り組める環境整備が急務だと訴えられました。ノーベル賞受賞科学者による中味の充実したお話を直接拝聴できた大変貴重な講演会となりました。講演後の質疑応答では、多岐にわたる質問に対して丁寧にお答えいただきました。参加者は98名(会場51名、Zoom47名)でした。

新井 高明(S50制御)

 

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