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2025年度土曜講演会・納涼大会報告

8月30日(土)、蔵前会館くらまえホールにて、「「新」量子の世紀 量子コンピュータと量子暗号通信の今と近未来」という演題で、東京科学大学名誉教授 渡邊靖志氏(S42物理)にご講演頂きました。今年はハイゼンベルクらによる量子力学確立から100年にあたり、それにちなんだ講演でした。
ミクロな世界を支配する量子は、粒子と波動の二重性、重ね合わせの原理、量子もつれ、トンネル効果など不思議な性質を示します。21世紀は、量子のこれらの性質を直接フル活用する量子コンピュータ、量子暗号通信などの開発が活発に行われていて「新」量子の世紀ともいえます。当初は早くとも2050年頃に完成するとみられていた量子コンピュータは、世界中の研究機関や企業で研究が急速に進み、2030年頃には最初の誤り耐性型が完成すると見込まれています。
講演では、まず量子の不思議な性質について実験事実から分かりやすく説明され、続いて量子コンピュータの歴史、種類、原理、課題について最新の情報も織り交ぜて詳しく解説されました。量子暗号、量子通信・中継にも触れられました。活発な質疑も交わされ、量子について理解と興味を深める貴重な講演会となりました。参加者は会場47名、Zoom39名でした。
講演会の後は、コロナ禍で延期されていた納涼大会が、昨年完成した新食堂「つばめテラス」にて6年振りに開催され、ラテンジャズビッグバンドのロス・ガラチェロスの迫力ある生演奏で大いに盛り上がり、ご講演頂いた渡邊様、ロス・ガラチェロスのメンバーを交え交流を深めました。参加者は62名でした。
信宮利昭(S59有機S61修)
納涼大会の様子

紹介ビデオ